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「油または脂肪中の環境汚染物質の低減方法,揮発性環境汚染物質低減作業流体,健康サプリメントおよび動物飼料製品」事件

平成29年2月22日判決言渡

平成27年(行ケ)第10190号 審決取消請求事件

口頭弁論終結日: 平成28年11月24日

全文

 

【概要】

主引例に示唆される複数の解決課題の一部を解決し得ないことを理由に、周知技術との組合せの動機づけを否定した。

【本事案のお言葉】

”甲1公報に記載された発明の工程において周知技術の構成を採用することは、上記課題②を解決できたとしても、これとともに解決すべきものとされる上記解題①及び③は解決できないことになり、「当該発明の課題解決に不可欠な構成を,あえて 当該課題を解決できない他の構成に置換することを意味するものであって,当業者がそのような置換を行うべき動機付けはなく,かえって阻害要因があるものというべきである。”

(by裁判長裁判官 鶴岡稔彦 さま)

 

■裁判所の判断(抜粋):

”「仮に上記のとおりの周知技術が認定できるとしても,甲1発明1においてこれを適用し,リパーゼを用いた選択的エステル交換を行って脂肪酸エステルを含む油組成物を生成することに代えて,「揮発性作業流体」を油組成物に外部から添加しようとすることには,動機付けが認められず,かえって阻害要因があるものと認められるから,本件審決の上記判断は誤りであると判断する。”

”甲1公報の記載によれば、「甲1公報に記載された発明は,海産油等の油組成物からEPAやDHAを回収する方法について,従来技術である,尿素錯化反応と分子蒸留とを組み合わせた方法やリパーゼの基質選択性を利用してEPA及びDHAに富むモノグリセリドを製造する方法における問題,すなわち,①原料海産油由来のEPA及びDHAの回収率が低いこと(課題①),②多くの環境汚染物質が除去されないこと(課題②)及び③EPAやDHAを精製することが困難であることを解決すること(課題③)を課題とし,これらの解決のために,海産油中で,飽和および単不飽和脂肪酸エステル交換を優先的に触媒するに活性なリパーゼを利用し,かつ,リパーゼで触媒されるエステル交換を実質的に無水の反応条件下で実施し,その後分子蒸留を行うことにより,所望でない飽和および単不飽和脂肪酸を実質的に有しないグリセリドの残余画分を得ると同時に,比較的揮発性である殺虫剤及びPCB類等の環境汚染物質を蒸留物(エステル画分)中に濃縮させてグリセリド画分から除去するものであるということができる。」”(カッコ付記)

”甲1公報に記載された発明の工程において周知技術の構成を採用することは、上記課題②を解決できたとしても、これとともに解決すべきものとされる上記解題①及び③は解決できないことになり、「当該発明の課題解決に不可欠な構成を,あえて当該課題を解決できない他の構成に置換することを意味するものであって,当業者がそのような置換を行うべき動機付けはなく,かえって阻害要因があるものというべきである。」”

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